宇宙の

いつもの街で、仕事をして、映画を観て音楽を聴いて、食事をして、友達と遊んで、家庭を持って、好きに眠る。それでいい。

 

だけど本当は、僕は「彼ら」に操られていて、気がついたらいつも、何か新しいものに晒される。宇宙を遠くから見張る「彼ら」は、とてつもなく強大で不可思議なパワーを使って、僕に未知の何かを差し向けてくる。

結局、僕はいつか心臓が止まるまで、「彼ら」の気まぐれに流され続けていくだけだ。

 

そうなったら、こんな宇宙はくそくらえってことになるんだけど、こんな思考に陥るたび、僕はすぐにでも宇宙の果てまで飛んで行きたくなる。そして最後には、宇宙の果てしなさを想像して、言いようのない悲しさに包まれる。

で、そうこうしている間にも、僕はその未知の何かに親しみ始めていて、生まれたときからずっと一緒にいたことになっていて、そもそも何が未知なのかさえも意識しなくなってしまうだろう。どうしようもないね。

 

だから僕は、「どこのだれがそれを操っているにしろ、手近にいて愛されるのを待っているだれかを愛する」ことができれば、それでいい。それがいいと思っている。

 

もうすぐ、いつも通り新しい生活がやってくる。これからもよろしく、自分。