工事の

工事の音で目を覚まし天井を眺めている 止まってしまった目覚まし時計 陽気な歌に乗せられてTシャツのシワを伸ばす 昨夜の記憶はおぼろげに 流れる雲に引っ張られ夏の匂いを置いていく 耳鳴りはまだ止まらない 信号機の点滅が人の波を急かしている 相変わらず太陽は高い 明るみ始めた空 初めて飲んだ酒の味 なんとか思い出してはみるけれど 回送バスに追い抜かされたよ 今日はなんだかペダルが重いのさ

 

光害

さあ もう前を向こう 散瞳を待たず 空を切るような後悔も 両手いっぱいの想いも 透いた声も届かなくて 大気は厚いさ 君が笑い出す 前は ああ 歪んでいく形相に夜目は利かず 「急いでよ」 「急いでるよ!」 郊外へと向かおう 工事の音はもう聞こえない ほら 月が欠けていく 足元は見えてないな 街を外れ そこでジッと待っている