宇宙の

いつもの街で、仕事をして、映画を観て音楽を聴いて、食事をして、友達と遊んで、家庭を持って、好きに眠る。それでいい。 だけど本当は、僕は「彼ら」に操られていて、気がついたらいつも、何か新しいものに晒される。宇宙を遠くから見張る「彼ら」は、とて…

工事の

街 工事の音で目を覚まし天井を眺めている 止まってしまった目覚まし時計 陽気な歌に乗せられてTシャツのシワを伸ばす 昨夜の記憶はおぼろげに 流れる雲に引っ張られ夏の匂いを置いていく 耳鳴りはまだ止まらない 信号機の点滅が人の波を急かしている 相変わ…

「B'zの…

この前帰省したとき、夕飯を食べながら「笑ってコラえて」を見ていたら、その中で 「実は『初老』は40歳くらいの人のことを意味する」 というナレーションが流れた。 すると妹が、「じゃあお母さんもお父さんも50過ぎてるし、もう『老人』じゃん」と言った。…

白い月の真ん中の

少し前、あるバンドが解散した。 僕の地元の同級生が、中学の頃から組んでいたバンドだった。 僕は当時から、そのバンドが好きだった。 特に、彼らがコピーするブルーハーツの「月の爆撃機」が大好きだった。どうしても自分でも弾いてみたくて、中学卒業直後…

茜色の

普通の大人になりたくなかったから、始めた音楽があって。でも、それを不安視している自分がいて。片や、そのなりたくなかった大人になって行く人たちが、妙にすごい幸せそうで、そういう人たちが逆に羨ましかったりして、また不安になったりして。 こんなこ…

中国行きの

一度だけ、留学生と友達になったことがあった。 中国人。おでこが広くて髪の長い女の人。自分がまだ19のときで、その人はたしか25だったから、正直、友達と呼んでいいのかもよくわからない、遥か大人の女性って感じだった。 4月。大学の講義で知り合った。講…